色の力を取り入れる~茶色~

茶色は、黄から橙、赤といった原色に
黒や灰色を混ぜることで生まれます。
色の幅が非常に広い反面、暗い色のため、
明るい色と比べて、色みの微妙な違いを
識別しにくい色でもあります。

茶色には、人を穏やかな気持ちにさせ、
集中力を高めて、事務ミスを少なくさせると
いわれています。

また、茶色はまとう人を堅実で、成熟した
包容力のある印象に見せてくれます。

茶色は、温かみを感じさせる色が得意な
イエローベースの人に似合いやすい色です。
でも、仕事着のボトムスに、あるいは、
鞄や靴、ベルトや名刺ケース、
メガネフレームなどの小物に、
ワードローブと調和する茶色を取り入れるなら、
どんなシーズンタイプの人でも、
茶色の効果を味わって頂くことができます。

[スプリングタイプ]
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黄色みを感じる、暖かで明るいニュアンスの
キャメルやゴールデンブラウンがおすめです。
スプリングタイプは、ボトムスや小物だけでなく、
コートやジャケットなどに茶色を使っても、
お顔やデコルテと調和して、健康的な印象を
つくることができます。

[サマータイプ]
brown(summer)
少し赤みを感じさせる、スモーキーな
ココアブラウンがお薦めです。
ピンクベージュやオールドローズと
組み合わせると落ち着いた印象に、
ミントグリーンやベビーブルーと
組み合わせるとモダンな印象になります。
上半身全体に茶色を使うと、
表情が暗くなってしまう方もあるので、
トップスの模様の中に茶色を含むなど、
小さな面積で茶色を使うことをお薦めします。

[オータムタイプ]
brown(autumn)
秋の実りを感じさせる艶やかな色が全体的に得意な、
オータムタイプは、茶色も深みのある色をお薦めします。
ローシェンナやチョコレートブラウンは
オータイタイプのベーシックカラー。
ワードローブのさまざまなアイテムと組み合わせて、
バリエーションを楽しめます。
茶色を使ってゴージャスな印象をつくり出せるのは、
オータムタイプならではの魅力です。

[ウィンタータイプ]
brown(winter)
青みがかった鮮やかな色や氷のように明るい色が
似合うウィンタータイプの茶色は、
色味をほとんど感じない、黒に近い濃い茶色。
あるいは、紫みによった深い色のボルドーをお薦めします。
一枚で着るとお顔の印象が暗くなってしまう人は
ポイント使いで茶色を取り入れ、
そうでなければスーツなどのアウターに使って頂き、
スカーフやバッグなどで鮮やかな色を差し色にすると
良いでしょう。

西洋と異なり、日本では古来から茶色は尊ばれてきました。
日本人は檜(ひのき)や杉、楠などの木材が使われた建造物や船、
わざわざ染料で染めてつくられた、多様な茶色の布を愛でてきました。
その代表となるのが、天皇陛下の御束帯で禁色とされた、
黄櫨染(こうろぜん)です。
黄櫨染2黄櫨染は、中天にかかる太陽の色を表し、
見る角度によってオレンジ色にも見えます。
西洋で高貴な色とされる、鮮やかで濃い原色とは
全く赴きの違う文化を感じさせる色です。

茶色をまとう代わりに、木々の息吹を感じる
シダーウッドやオークモスが使われている香水や、
塗香(ずこう)を試してみるのも一興です。
塗香塗香は仏教の修行者が仏様に捧げる
六種の供物のうちのひとつで、身を清め、
邪気を寄せ付けない効果があるそうです。

写経や法要の前に用いられている塗香を、
日常に取り入れることができたら、
仕草や立ち居振る舞いまでもが
優雅に変わりそうですね。

色の力を取り入れる~ピンク~

ピンク色は母性愛を象徴する色とされ、
無条件の愛、慈悲を表します。

誕生前の記憶を持つ人に聞くと、
お母さんのおなかの中の色はピンク色だったといいます。
乳児の視神経は通常、5カ月目ごろから
さまざまな色を知覚できるよう
発達してくると言われるので、
この方は胎内で、皮膚で感じた子宮内壁の色を
覚えていたのかも知れません。

ピンク色はまた、幸福感や優美さ、ロマンチックさや、
可愛らしさなどを表す色でもあります。

ロゼのシャンパンをフルートグラスに注いだ後の、
ほのかに泡の立ちのぼるさまを静かに眺めるひとときは、
まさに幸せな気持ちが高まる瞬間です。

また、地中海や南国の島で見るフラミンゴ色の夕焼けも、
時間を止めてしまいたくなるほどの至福を感じさせます。

一方、ピンク色は、黒や紫と組み合わせると、意味が一転して、
エロチズムや誘惑といったニュアンスを帯びます。

古来、日本や西洋世界では濃い赤や緋色が使われており、
赤に白を足したピンク色は価値の低いものでした。

西洋で、ピンク色を流行させたのが、
フランス国王ルイ15世の愛妾だった
ポンパドゥール夫人。
彼女が支援したセーブル王立製陶所で、
科学者エローが美しいピンク色の釉薬を作り上げ、
夫人にちなんでRose Pompadourと名付けました。
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夫人のお蔭でピンク色は宮廷で大流行し、
ロココ様式を代表する色のひとつとなりました。
残念なことに、婦人が亡くなった後、
エローも急死したため、
この釉薬のレシピは永久に失われてしまったのだそうです。

また、第二次大戦中、ナチスが収容したユダヤ人のうち、
とくに同性愛の男性にピンク色の三角形を描いたバッジをつけさせ、
過酷な労役をさせられた悲しい歴史があります。
このため、大勢の犠牲者が出たそうです。
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自分たちの存在の誇りとなっているのです。

1979年、シアトルの海軍刑務所で、
攻撃的な気質の囚人の部屋の壁とカーペットに
一定の繰り返し模様でピンク色を使用したところ、
効果が分かれ、色のお蔭で穏やかになった者がいた反面、
興奮状態になったり精神錯乱を起こす者もいたそうです。

このように、ピンク色は、さまざまなニュアンスを含んだ色で、
見る人によって、異なる印象をもたらすのです。

ピンク色を自分のために使う時には存分に、
誰かと会う時の装いには色や分量を調整して
身につけるのが良いかと思います。

なんと言っても、ピンク色はウキウキとした幸せな気分を
後押ししてくれる色ですので、
バッグの中にピンク色のポーチをしのばせたり、
自分にぴったりと合った上質なピンク、
またはピンクオレンジのチークをさしたり、
男性であればパーソナルカラーに合ったピンク色のネクタイを
普段使いしたりといった工夫で、
気分を高めてくれる秘薬を手に入れることができます。

[スプリングタイプ]
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黄みをほんのり含んだ、コーラルピンクや淡いピーチピンクが
お薦めです。
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ベーシックカラーのライトベージュやアイボリー、
オレンジやキャメルとも好相性です。

[サマータイプ]
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青みをほんのり含んだパステルピンクやローズピンク、
紫よりのオーキッド、そして、
グレイをかすかに含んだオールドローズの色がお薦めです。
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淡いグレーやブルーグレー、あるいはオフホワイト、
そして藍色やピンクベージュ、
赤みを感じるココアブラウンと組み合わせれば、
ピンク色の様々な配色を楽しむことができます。

[オータムタイプ]
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黄みをたっぷりと含んだサーモンピンクがおすすめです。
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チョコレートブラウンやローシェンナといった濃い茶色や、
アプリコットや生成り色といった淡い色とともに、
あるいは、トマトレッドやテラコッタなどと組み合わせると、
全体の配色が調和してナチュラルに見えます。

[ウィンタータイプ]
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青みを含んだ鮮やかなショッキングピンクやフューシャ、
あるいは白に近い桜色がお薦めです。
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チャコールグレーやネイビーブルーとあわせて、
コントラスト感をつくります。
または、シルバーグレーとの組みあわせも、
凜としたウィンタータイプの印象を引き立てます。

最後に、ローズクオーツや色見本など、
ピンク色のものを目の前に置き、
あるいはフローラルブーケなどの香りを嗅いで、
ピンク色の空気を想像しながら吸い込み、
体中に行き渡らせると、アンチエイジングの効果があるようです。
個人差もありますが、半年ほどで結果が実感できるそうですので、
試してみてはいかがでしょうか。
私も、おやすみ前にピンク色でカラーブリージングをして、
目下、実験中です。

色の力を取り入れる~赤紫~

赤紫は、虹のスペクトラムの中にはない、不思議な色です。

605px-Linear_visible_spectrum.svgどうしてスペクトラムに存在していない赤紫色を
人が見ることができるかというと、
目の中の「紫」を知覚する細胞と「赤」を知覚する細胞が、
赤紫色の光を受け止めて、脳の中で合成するからだとか。

赤紫の中でも、特にファッションで男女ともに使う色としては、
深みを感じさせるバーガンディやボルドー、
ワインカラーなどがあります。

深い赤紫色が使われているアイテムとしては、
たとえばカルティエの革製品。
あるいは、GURERLAINのSAMSARAという香水のボトル。
SAMSARA2_03
または、ロードライト・ガーネットのジュエリー。
rhodolite

深い赤紫は個性的な感性を連想させ、
情熱や、高い精神性、そして、
社会的なステイタスや贅沢さを感じさせる色です。
また、中世ヨーロッパ以来、貴族社会で用いられた紋章の中では、
赤紫は勇敢な自己犠牲を意味する家紋として使われてきました。

赤紫色は、自分がこの人生で本当に成し遂げたいことに気づき、
経験したことから得る「気づき」を自分のものとし、
着実に歩んでいくことをサポートしてくれる色と言えましょう。

また、赤紫色は、憂鬱な気分が続くとき、
そこから回復していくことを助けてくれたり、
憂鬱な気分から自分を守ってくれる色でもあります。

ネクタイやバッグに赤紫色を取り入れたり、
ネイルのワンポイントに赤紫色を使えば、
自分の目に一番触れられるところで、
色の効果を楽しむことができるでしょう。

赤紫色は、青みがかった深い色が得意なウィンタータイプの色。
でも、他のシーズンタイプの人でも、
次のポイントに沿って赤紫色を取り入れれば、
おしゃれに色の効果を楽しむことができます。

[スプリングタイプ]
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スプリングタイプが深い赤紫を使うなら、
できるだけくすみを感じさせない、
葡萄色やマルーンをポイントで取り入れて。
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トップスなどの顔周りを避けて、
ウォームグレイやピンクオレンジとともに、
少量を組み合わせると、
知的でエレガントな印象です。
また、反対色のアップルグリーンと組み合わせても、
調和します。
素材は、シルクシフォンや
ハイゲージでツヤを感じるコットンなど、
軽さと温かみを感じさせるものがお薦めです。
スプリングタイプが得意な、
華奢なゴールドのジュエリーと赤紫は良い相性です。

[オータムタイプ]
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ピンクベージュやカーキ、マスタード、オリーブ色の服に、
マルーンの手袋、
深い赤みを感じさせるアルマンダイト・ガーネットのネックレス、
または、差し色にマルーンの入ったスカーフを組み合わせます。
一枚で着るなら、深い赤みを感じさせる
マルーンのドレスがエレガントさを添えます。
素材は、麻やモヘアなど、立体感のあるものが
ナチュラルさを感じるオータムタイプのクローゼットに調和します。

[サマータイプ]
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ラベンダーやラズベリーの色とともに、
グラデーションを描くように、
やや青み寄りのまろやかなワインレッドやボルドーを組み合わせます。
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はっきりとしたコントラストのある配色よりも、
穏やかに移り変わるトーンを取り入れると、
上品で知的な印象になります。
素材は、シルクジョーゼットや薄手ウールなど、
柔らかく軽さを感じさせるものがお薦めです。

[ウィンタータイプ]
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葡萄色やバーガンディ、
ボルドーやワインレッドなど、
幅広く深い赤紫を着こなせるウィンタータイプ。
コートやドレスなどで、
赤紫色を一枚だけでまとうこともできますが、
モノトーンの服に差し色で使ったり、
鮮やかな青み寄りのピンクと組み合わせたり、
反対色の深い緑色と組み合わせても変化が楽しめます。
素材は、クロコダイルやエナメルといった光沢感のある革や、
ハリのあるシルクなどを取り入れて、
ドラマティックな印象をつくると魅力的です。

ぜひ、自分らしく赤紫色を取り入れて、
活力と不思議な力を手に入れてみて下さいね。

色の力を取り入れる~赤~

近隣のお庭に梅の花がほころび始め、
まだまだ寒い日が続くものの、
空気が春の訪れを予感させる時期となりました。

今日から、あなたを癒やす色の効果について、
書いてみたいと思います。

今回は、「赤」についてとりあげます。

赤い色は、出産やけがなどの際に流れる血を連想させ、
生と死を喚起することから、
逃げるか戦うかという判断を迫る色。

赤は興奮作用を促す神経を刺激し、
血圧や体温を上昇させ、呼吸数を早め、
気分を高める効果があるといわれています。

生命を司る赤は、
古今東西で、治療や魔除けに使われてきました。
五行陰陽の思想が普及している中国では、
赤は、陽の気を高めて身体を温める色とされています。

また、赤い服には着る人を周りから際立たせ、
優位性や権力、注目をもたらす効果があるといわれています。

選挙演説などの大切なプレゼンテーションや、
ここ一番という時の交渉時に赤をまとうと、
相手への圧力を高め、自分の気持ちを前へと後押ししてくれます。

最近、仕事や恋愛でどうもうまくいかないな・・・という時に、
バッグやルージュやネイル、
男性ならネクタイなどに取り入れると
良いでしょう。
ちなみに、ワンピースやスーツなどの広い面積で赤を使うと、
「私はナンバーワンよ」という周囲への
暗なるメッセージになります。

赤いアイテムは、感情をあらわにしない人は
あまり持っていない傾向があるそうです。

そんな、周りから見ると穏やかな人も、
心の中ではストレスをあまり抱えると、
爆発してしまうことも。
そんな時、感情を発散させてくれる赤と、
感情を鎮静してくれる黒の小物を身につけておくと、
気持ちを少し落ち着かせることができます。

一方、赤を使ってはいけないのが、
お詫びの場面です。
ほんの少しでも、お詫びをする人が
赤をまとっていることに気づかれると、
「何かあったら争う気だ」という印象を与え、
場の決着を延期させてしまうことも。
お詫びの場に自分を奮い立たせるのであれば、
自分だけが見えるように、
密やかに赤を携えていくのがいいでしょう。

[スプリングタイプの赤]
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朱赤のような、鮮やかで少しだけ黄みがかった赤は、
スプリングタイプのあなたを血色良く、
つややかに見せてくれます。

[サマータイプの赤]
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ひんやりとした青みを含む柔らかい赤は、
サマータイプのあなたを、
奥行きを感じさせる
美肌に見せてくれます。

[オータムタイプの赤]
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こっくりとした完熟トマトのような赤は、
オータムタイプのあなたを健康的に、
しっとりとした肌に見せてくれます。

[ウィンタータイプの赤]
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青みを含む鮮やかな赤は、
ウィンタータイプのあなたを
艶やかにドラマティックに彩ってくれます。

こんな寒い時期こそ、赤い色から
エネルギーをたくさん分けてもらいたいものです。

皮膚からも取り込まれる「色」

色は、光のある場所で、
視覚(眼)を通じて認識されるというのは、
現代の、一般的な見解です。

色彩検定やパーソナルカラーの学習でも、
色彩を認識するために必要なのは
「光」と「物体」と「眼」の三つの要素である、と
学びます。

しかし、現代の科学ではまだ解明されていないことが、
色彩の世界にもあるものです。

それは、人間を含む生物が、皮膚を通じても、
色彩を認識しているという事実です。

このような実験結果があります。
目隠しをした被験者数名に、色を教えないまま
赤い部屋と青い部屋に交互にはいってもらうと、
血圧や体温、筋肉の弛緩に明らかな変化が見られました。

赤い部屋に入った被験者は、血圧と体温が上昇し、
筋肉が緊張し、発汗が促進され、
被験者が青い部屋に入ると、血圧と体温が下降し、
筋肉が緩み、発汗が収まったそうです。

自然界では、カメレオンが皮膚で周囲の色を知覚していて、
環境や体調に合わせ変化させることが知られています。

カメレオンの皮膚細胞の中には
白、赤、黄、黒などの色の粒があり、
この色の粒は、外からの光や熱を浴びると、
大きさが変わる仕組みになっているそうです。
そして、大きさの組み合わせがいろいろ変わることで、
結果として、体の色が変わるのだそうです。

このように、皮膚は第二の眼としての機能も
担っているといえそうです。

さて、動物の中で、衣類をまとうのは人間だけ。
日ごろの服が、黒ばかりだったり、
いつも同じ色の服をまとっているならば、
太陽光の決まった波長だけを皮膚から取り込む形となり、
自然からの光の恵みを、十分に受けることができません。

できるだけ、いろいろな色の服を着て、
衣類を通して肌に注ぐ日差しを感じる心地よさを
楽しんでみませんか。

香水で自分らしさを装う

人はどんな時に、「香り」のおしゃれを楽しむでしょうか。

自分のおしゃれを完璧にしたいとき。
自分自身のペースを取り戻したいとき。
特別な空気感に包まれたいとき。
恋をしたとき。
一歩、前に進む勇気がほしいとき・・・

高貴な香りは太古から、
神に献上されてきました。
はじまりは花や野草、樹脂などをそのまま供え、
やがて芳香性の樹脂を燃やして、
かぐわしい煙を神々に捧げたようです。

19世紀の終盤まで、香水は神々と王侯貴族のものでした。
化学技術が進んで大量生産が可能になり、
多くの人が気軽に香りを楽しめる現代でも
香水はおしゃれの仕上げを飾る、優雅で贅沢なもの。

香水の種類は多種多様なだけでなく、
同じ銘柄でも、まとう人によって違う香りに変化していくため、
実際に試して自分らしい香りを見つける旅は、
楽しくも複雑な発掘作業でしょう。

だから、ほどよい距離感で、
自分らしく香水を楽しんでいる人には、
香りと一体になったその人の魅力が醸し出されて、
知的な美しさを感じます。

香水は、主に次のシーンで使われると言われます。

・なりたい自分に近づくために
・仕事中などのオフィシャルな場面で、好印象をつくるために
・休日やプライベートを楽しむとき、自分のために
・フォーマルなシーンや恋人と過ごす時間のために

上の四つの香りをすべて持つ人は、
自分のスタイルを確立していて、
おしゃれを楽しんでいる人だと思います。

そこで、今回はなりたい自分に近づくための香りの
イメージの選び方について、書いてみます。

■STEP1■ あなたのキャラクター診断で、香りのイメージを導き出す

あなたは、香りをまとうことで、
どんな理想の自分を手に入れたいでしょうか。
なりたい自分のイメージ描くことで、
今のあなたに必要な香りのイメージを
絞り込むことができます。

【1】自分自身の価値観を大切に、抱く信念に従って過ごしたい
[キーワード] エレガント、ナチュラル、シック、クラシック
[香りのイメージ] 穏やかに過ごせる、気持ちを落ち着かせてくれる香り
・・・リラ、シャクヤク、マグノリア、スズランなどの白い花々、
ライムやレモンなどの酸味のある柑橘類。

【2】驚きや発見に触れ、自分を克服し、結果が見えない挑戦を続けたい
[キーワード] ダイナミック、ワイルド
[香りのイメージ] 旅立ちを予感させる香り
・・・クローブ、シナモン、アンバー、パチュリ、エキゾティックな花

【3】周囲から認め受け入れられ、素直な気持ちで物事に向かいたい
[キーワード] プリティ、ロマンティック、クリア、カジュアル、ナチュラル
[香りのイメージ] さわやかで軽さのある、瑞々しさを感じさせる香り
・・・両手いっぱいのバラの花束、フリージア、オレンジ、グレープフルーツ、
ザクロなど、フレッシュフルーツのカクテル。
ハーブ、グリーン、お菓子、石けん、清潔なリネン、
さわやかで軽さのある、みずみずしさを感じさせる香り。

【4】女性としてのセクシーな魅力を高めて、愛される喜びを感じたい
[キーワード] ゴージャス、ワイルド、ダイナミック
[香りのイメージ] 触れたくなるような、誘惑の香り
・・・ジャスミン、イランイラン、ガーデニア、アニマリックなアクセント、
アンバー、ムスク。

【5】揺るぎのない自信を手に入れて、誇り高くいたい
[キーワード] シック、クラシック、フォーマル、クラシック&ダンディ
[香りのイメージ] まだ一般にはあまり知られていない、あなたが独占できる香り
・・・チュベルーズ、貴重な花々のブーケ、限定の香り、マネされにくい香り。

【6】自然や思い出を大切に、穏やかな時間を過ごしたい
[キーワード] ナチュラル、カジュアル、ロマンティック
[香りのイメージ]過ぎ去った時を思い起こさせる豊かな香り
・・・マリン、アクア、バンブーなど海、水辺、森、大地、風を感じる香り。
バニラ、ベビーパウダー、グリーンティ、紅茶の香り

【7】新しい情報にいち早く触れ、得心のいくまで物事を追求したい
[キーワード] シック、クールカジュアル、モダン、ダンディ
[香りのイメージ]未来を予感させる最先端の香り
・・・新作、発表されたばかりの香料や新しい香調。

以上のパーソナルイメージと主な香水をまとめました。
パーソナルフレグランススケール

■STEP2■ 香りのベースとなる「ノート」を決める

ノートとは、香りの調べ(香調)を表します。
あなたがまといたい香りのベースとなる「ノート」を次の中から選び、
香りの大きな方向性を決めましょう。

【1】フローラル
花屋さんを訪れた時のような、華やかさと新鮮さ、瑞々しさ感じさせる香り。
清楚な香りからエレガントで優しい香り、ゴージャスな香りまで
様々な種類があります。

【2】オリエンタル
「東洋的」と言う意味の、エキゾティックでグラマラスな香り。
甘く、重く、濃艶で、その人の魅力を強く印象づけてくれる香りです。

【3】シプレ
地中海のキプロス島にちなんだ香り。
地中海周辺の柑橘類や花、樹木などに
オークモスという苔の一種の香りをブレンドした、
温かみのあるドライな香りです。
最も端正で、気品と知性、そして静けさを感じさせる香りでもあります。

【4】アロマティック
南フランスで愛されてきたハーブを活かした香りで、
すがすがしい生命力と活力を感じさせてくれる香りです。

【5】シトラス
レモンやベルガモット、オレンジ、ライムなどの柑橘系の香りです。
清潔感と、明るく親しみやすい印象を感じさせてくれる香りです。

【6】マリン
空気や水、そして海や空を感じさせる、透明感のある香りです。
地中海の海上で感じるオゾンのすがすがしさをイメージさせ、
瑞々しい魅力や、フレッシュな穏やかさを感じさせてくれる香りです。

【7】フゼア
ラベンダーやゼラニウム、オークモス、
クマリン(桜餅の桜の葉の香りににた人工香料)などの
香りから成り立つ、理知的な印象をもたらす香りです。

■STEP3■ 「自分の見られたい印象」を加えるノートを決める

自分をこのように印象づけたいと思う香りを、次の中から選んでみましょう。

【1】包み込まれる温かさや安心感、穏やかさ、女性らしさのある印象
パウダリー
粉おしろいのような甘く、乾いた感じの柔らかい香りです。

【2】安心感と親しみやすさのある印象
フルーティ
ピーチやアップル、ストロベリー、ブルーベリー、
マンゴー、バナナ、パイナップルなどり果物の香りです。

【3】幸福感にあふれ、愛される印象
グルマン(「美食家」)
キャラメル、チョコレート、綿菓子などの、
濃厚な甘みを感じさせるお菓子の香りです。

【4】開放感と爽快感があり、行動的な印象
グリーン
青葉を指先で揉んだときに感じられる香りです。

【5】力強くエレガントで、温かみと包容力のある印象
ウッディ
鉛筆を削ったときに感じられる木の香りです。

【6】ホットさやクールさを感じさせる、刺激的な印象
スパイシー
シナモン、クローブ、ナツメグ、ペッパーや、コリアンダー、
カルダモン、ジンジャーなどのスパイスの香りです。

【7】官能的な印象
アニマリック
ムスク(麝香)、シベット(霊猫香)、
カストリウム(海狸香)、アンバーグリス(竜涎香)など。
現在では、動物性の天然香料は動物保護の視点から使われておらず、
人工香料や植物性の香料が使われています。

以上の3つの要素を、
百貨店のフレグランスコーナーやブランドのカウンターで伝えれば、
それに近いイメージの香水を選んでもらえることでしょう。

春に向けて、なりたい自分を叶える香り探しを、
今からじっくり始めてみませんか。

※理想の香水の選び方について、もっと詳しく知りたい方は、
地引由美さんの「パーソナルフレグランス」
という本をお薦めします。
自分らしさを表す香水の選び方だけでなく、
年代別・男女別のおすすめ香水や、
香りのまとい方なども詳しく網羅されていて、
とても読み応えのある一冊です。

(参考図書)
・ロジャ・ダブ「フォトグラフィー 香水の歴史」原書房
・地引由美「理想の香り パーソナルフレグランス 愛される香水選びのルール」講談社

自分のイメージにぴったりのカラートーンの割り出し方

フォーシーズンによるパーソナルカラー分析とは別して、
あなたが着たい・身につけたいイメージや色があると思います。

自分の内面にぴったり合ったイメージに自分を整えることは、
自分にとっても心地よいものです。
また、あなた自身が目指すイメージに近い印象で、
他の方に認識してもらいやすいと思います。

今日は、自分に似合ったトーンの見つけ方について書きます。

【情熱的に見せたいか、穏やかに見せたいか】
もちろん、時と場合にもよるかと思いますが、
仕事の場面やオフのおつきあいで、見てもらいたい自分とは、
情熱的で活発な自分でしょうか、それとも上品で物静かな自分でしょうか。
または、このように質問することもできます。
あなたは、周囲の身近な方と比較して、
感情の動きが激しく短気な気質でしょうか、
それとも、平穏なおっとりとした気質でしょうか。
情熱的で活発な人には鮮やかな色、
一方、上品で物静かな人には落ち着いた色が
その人らしさを表します。
自分の気質をチェックして、
このあたりがぴったりくると感じる色の鮮やかさを
下のチャートを参考に調べてみましょう。
トーン決定

【ふんわりと見せたいか、重厚に見せたいか】
あなたは、自他共に認める優しい人でしょうか、
それとも、自他ともに厳しく律し、自分のペースを大切にして物事を進めていく人でしょうか。
優しい人なら、明るいふんわりとした色が、
また、厳格な人なら重厚な色が、
その人らしさを表します。
自分の気質をチェックして、
このあたりがぴったりくると感じる色の明るさを
下のチャートを参考に調べてみましょう。
トーン決定2

【トーンを調べる】
上のステップで、あなたらしさを表す色の鮮やかさと明るさが、
ほぼ割り出せたかと思います。
次は、下表のタテ軸とヨコ軸のあなたの位置から、
あなたらしさを演出できる配色のゾーンを割り出してみましょう。
トーン決定2

こちらのマトリクスをもとに、
ご自身のパーソナルカラーを反映させて、
あなたを活かす配色とスタイルを割り出すことができます。

ちなみに、「今の自分とは全く違うイメージになりたい」
という方もいらっしゃるかと思います。
その場合、まったく対極のイメージになろうとすると、
できないことはないのですが、
新しいアイテムを買い足すことでコストがかさんだり、
日々の身支度に時間がかかるうえ、
自分の良さまでも打ち消してしまうことにもなりかねず、
持続するためには、相当な手間ひまが必要になります。

あるいは、自分のパーソナルカラーの色と、
違ったトーンになってしまう、という方もあるかも知れません。
この場合、ちょっとしたテクニックが必要になってきます。
詳しくは、以降の記事でご紹介したいと思います。

まずは、イメージを変えたり調整したりしたい場合、
今の自分のポジションに近いところから
挑戦してみることをおすすめします。

白ブラウスの色にこだわってみる

みなさんのクローゼットに、一枚あるいは数枚の白いブラウスがあるかと思います。
白いブラウスは、時代を超えて愛されてきた、タイムレスアイテム。
そのブラウスに、人それぞれに合った白の色みがあることを、ご存じでしょうか。

私は、パーソナルカラーを本格的に学ぶまでは、あまり意識したことがありませんでした。しかしながら、実際にさまざまな白色のドレープを胸元にのせて分析させていただき、お顔写りの印象に変化があることに気づきました。

今日は、パーソナルカラーのシーズン別に、最もその人らしさを活かすと言われる色について書きます。

【スプリングタイプ】
スプリングタイプの白は、少しだけ黄みを帯びた白や、エクリュという生成りのような色。
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お顔に血色とツヤ感を足し、顔周りの印象を明るくします。

【サマータイプ】
サマータイプの白は、ほんの少しだけグレーを帯びたオフホワイト。
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お顔周りをすっきりと明るく整えてくれます。

【オータムタイプ】
オータムタイプの白は、スプリングタイプよりも黄みの多い白か、
ウォームグレーをかすかに帯びたオイスターカラー。
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お顔に血色を足し、柔らかい印象をつくります。

【ウィンタータイプ】
ウィンタータイプの白は、色味を全く含まないまっさらの雪のような白。
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お顔にツヤ感を与え、凜とした表情へと導きます。
または、写真の上のドレープのような、
ほんのりグレーを帯びたストーンカラーもおすすめです。
こちらは、黒や鮮やかな色と組み合わせてコントラスト感のある配色にすることで、
お顔周りに躍動感やリフトアップ効果をもたらすでしょう。

もう一度、お色みをシーズン別で比較してみましょう。
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同じ白でも、さまざまなバリエーションがあり、
パーソナルカラー別のカラーパレットの他の色と
しっくり配色が決まりやすい白があるのです。

ちなみに、「クローゼットの白ブラウスの色が、自分のパーソナルカラーと違う」
と言う方も、どうぞご安心下さい。
胸元にアクセサリーやスカーフを足すことで、
より顔写りの良い配色に整えることもできます。

これから春夏向けの商品が街にたくさん並んできますので、
ぜひ、自分にぴったりの白ブラウスの装いを、見つけてみてください。

自分の魅力を引き出すトレンチコートの探し方

まだまだ寒い季節が続くものの、
日差しが一歩ずつ長くなってきました。

ロシアでは、2月下旬~4月中旬にかけての
日足が伸びる時期を「光の春」と呼ぶのだそうです。
厳寒の地ならではの、春を待ちわびる文化を感じさせるキーワードです。

さて、春先から活躍するのがトレンチコートです。OLYMPUS DIGITAL CAMERA
トレンチコートはファッションの定番アイテムのひとつといわれ、
長年にわたり愛用する方も多いと思います。

ジャケットやウールコートのような流行によるデザインの変化が比較的少なく、
ジーンズルックの上からトレンチコートを羽織ると上質カジュアルが演出でき、
また、髪の毛をルーズになびかせたままでトレンチをまとうと、
往年のフランス女優風になるなど、着回しに大変便利なアイテムです。

自分の目指すイメージ、自分の容姿にぴったり似合うトレンチコートに出会えたら、
コーディネートの幅が広がって、おしゃれを楽しむことができます。

今回は、トレンチコートの選び方について書きます。

■コットンか化繊製が、通年活用の決め手

バーゲンの時期になると、牛革やウール、
シルクなどのトレンチコートが出ることがあります。
普段は高価なだけに、バーゲンは魅力的なもの。
でも、買った後で特殊クリーニングが必要だったり、
冬場だけした使えない素材にするのは、
定番アイテムとしてはもったいないこと。
一着目のトレンチコートは、
コットンか化繊製のものを選ぶと良いでしょう。

■自分の顔色に馴染む色のものを

トレンチコートの色は、
黄みよりや赤みよりなど、
さまざまなシェードのベージュ色や
緑み・茶色を帯びたカーキ色を基本に、
紺や赤や黒、そして、その他のさまざまな色のものがあります。

ベージュといっても、100色以上のものが街に流通しています。
トレンチコートは首回りに、直接的に色の影響をもたらします。
中には、色が明るすぎて顔が白く寂しくなったり、
カーキの黄みが強すぎて不健康そうな顔色に見えたり、
暗い色が陰気な印象に見せてしまう方も。

自分の魅力的な印象を引き出す色のトレンチを、
じっくり試着して探すことをおすすめします。

■パンツルック? スカートルック?

普段、あなたが来ているボトムスは、
トラウザが多いでしょうか。
それとも、スカートが多いでしょうか。

もし、トラウザルックが多いなら、ハーフ丈よりも長くて、
おしりや太ももが隠れる程度の長さが着こなしやすいと思います。
逆に、フルレングスの長いトレンチについては、
身長が155センチ以上ある方なら、
全体の印象が馴染んで着こなせます。

一方、スカートルックが多いなら、
スカートの丈よりも少し長めの物を。
トレンチの下からスカートが見える長さだと、
寸足らずでチープな印象に見られる恐れがあります。

特に、脚の形がO脚やX脚の方で、
スカートから覗く足もとのシルエットがまっすぐでない場合には、
その部分をできるだけ隠すイメージで、丈を選ぶと良いでしょう。

また、足首の形にメリハリがない方や、
ふくらはぎから下が目立ってむくみやすい方も、
その部分を隠してスカートの丈を決め、
スカートが覆われるようにトレンチの丈を決めれば、
エレガントに見えるでしょう。

あるいは、ブーツの丈を使って、
足首の気になるパーツをカバーすれば、
トレンチの丈の選択肢がぐっと広がります。

■開衿は、フェイスラインに合わせて

トレンチコートの良い点は、襟元を閉めても空けても
着ることができ、違った印象を楽しめることです。
ただし、顎の下のラインから鎖骨までの長さが8センチない方や、
顔に横幅がある人は、襟元を開けて羽織るのがおすすめです。
あるいは、前のボタンを全部開けて羽織ることで、
身体にタテのラインをつくることができます。

■トレンチを颯爽と着こなすには

トレンチコートは、
サイドから見たあなたのシルエットを優美にしてくれます。
歩くときは、背骨をコツ人の上に積み重ねるように整え、
腰から歩き出すイメージで脚を運びましょう。

トレンチコートの魅力を存分に味わって、
心までも明るくなる春の日差しを楽しんで頂ければ、嬉しいです。

エレガントな紺のシェードをつくる

紺という色は、心に静けさをもたらしてくれる色。
黒ほどシャープでなく、青ほど鮮明ではない、
どこか柔らかく、知的な色でもあります。
そして、紺はスーツやジャケットなどで、
活躍するシーンの多い色。

ただし、多くの人が紺を着るので、
印象が埋没してしまいがちです。

自分らしく紺を着るには、
自分のパーソナルカラーにぴったりと合った紺を選ぶことがポイントです。
紺色は、色目が暗くて識別しにくいため、
黒い布の上で色目を確認すると、間違えにくいと思います。

さて、今日は、あえて紺一色の装いを作りました。
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ブルーグリーン寄りの紺のワンピースと、
ベージュのチョークストライプが入った紺のジャケットで
温かみのある「紺」のグラデーションをつくります。

濃い色を顔の周りに合わせると、
顔の輪郭がシャープに見えるのです。

胸元には、華奢なゴールドのチェーンネックレスに、
サファイアのビーズネックレスを合わせて、
デコルテと顔に血色を足します。

足もとは濃紺のパンプスと黒のストッキングを合わせ、
気になる脚のラインをスリムにカバー。

メイクは、美しい純赤のリップと、
ベージュから紺のグラデーションでアイカラーを施します。
アイブローはブラウンの濃淡できりっとした眉に整え、
ピンクベージュのチークを差します。
仕上げは、まぶたの下と鼻筋、顎にハイライトを乗せて、
透明感のある肌に整えます。

今日は心斎橋で所用を終えて、
ビーガン料理のAtlで遅めのランチです。
夏ほど硬くない白い日差しが、
紺のドレープを柔らかく彩り、
穏やかな午後が流れていきます。
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