歌い継ぐようなおしゃれ

随分と以前に、とても気に入って買った服。
そして、特別な用向きの時に、まとって出かけた服。

そんな服を、流行遅れとして
処分してしまうのは、よくあることです。

でも、今の自分にあった着こなしを考えて、
もう一度、あの日とは違った趣でまとう方法を考えるのは、
とってもクリエイティブなこと。

例えば、こちらの服は、
今から16年前に、親族の行事で使った思い出の品。before

時を経た今、このまま着るのは難しい服です。

でも、丈の短いシルクのジャケットと合わせると、
年齢なりの印象をたたえた、
よそゆきのコーディネートになるのです。after

随分前でも、自分がとっても気に入って買った服には、
時を超えて自分の感性に響くものがあるようです。

まるで、自分の数十年来の持ち歌を、
あたかも出たばかりの新曲ように何年も歌い継ぐ歌手のように、
おしゃれを楽しめたら、丹念に美しく年輪を重ねてゆけそうです。

3色以上をコーディネートで使うには

シンプルで美しいコーディネートをつくるには、
原則として2色を組み合わせるのが良いと一般的に言われています。

それでも、普段とは違った色の装いを楽しみたいときはあるもの。

3色以上を使って、上品なコーディネートをつくるには、
穏やかで似たような鮮やかさの色どうしを
組み合わせる方法をおすすめします。

具体的には、こちらのチャートをご覧下さい。
色相×トーン一覧

同じ扇形の中に含まれる色は、色みが共通しています。
また、同じ階層の環に含まれる色は、明るさや鮮やかさがとても似ています。

この中の、同じ色み(同じ扇形のグループ)どうしを組み合わせるか、
環のなかの同じ階層にある、鮮やかすぎない色のグループを選んで
組み合わせると、うまく馴染む着合わせをつくることができます。

[同じ色みのグループを使う]
■同じ色の濃淡で色を組みあわせる[環の中で鮮やかすぎない階層を選び、同じ階層から組み合わせる]■同じのトーンの中から色を組み合わせる

例えば、こちらの組みあわせには、OLYMPUS DIGITAL CAMERA

  • パステルピンク
  • ライトターコイズ
  • ターコイズ
  • ティール
  • ライトグレイッシュグリーン

の色が使われていますが、ちぐはぐな印象はありません。

なぜかと言うと、

  • 一番大きな面積で、ターコイズの濃淡が使われている
  • ピンクやグリーンが同じ面積ではなく、アクセントで使われている
  • ピンク、グリーン、ターコイズが、色相環でみるとちょうど同じ距離の位置にある
    (トライアド配色といいます、下図参照)

色の組みあわせ

という要素が入っているからです。

プリント柄の服などを着て、あえて多色使いをしたい時には、

  • トーンをそろえる
  • ベースとなる色を決める
  • アクセントの色は、ベースの色と調和した色を選ぶ

という点を織り込むと良いでしょう。

手持ちの服を、是非、これまでにない着合わせで楽しんでみて下さい。

スーツのサイズを選ぶポイント

これからの季節、各種行事への参加などで
スーツを着る機会も多くなるかと思います。

20代の頃は、どんなスーツでも似合っていた人も、
よほど体型キープのできた方でなければ、
歳を経ていくと、なかなか納得のいくサイズのスーツとは
出会いにくくなってくるものです。

特に、ウエスト周りやヒップなどの、
体型の変化にきっちり対応してくれて、
自分のラインを美しく見せてくれるスーツは
高価になる傾向があります。

さて、スーツのサイズを決めるコツは
以前の記事でご紹介しました通り、
ジャケットの肩幅がぴったりであることです。

どんなに素敵な色みやデザインのスーツでも、
肩のラインに違和感を覚えるようなら、
「待った」のサインです。

肩のラインが決まっていると、
座っているときの上半身のルックスも
服に着られていない、きちっとした印象に見えるからです。

仮に、ヒップが大きく、太ももの周りにボリュームを感じる方でも、
スカートやトラウザーズのサイズを上げるより、
お尻が覆れるジャケットの長さを選べば
下半身のラインを損なうことがないので、大丈夫です。

また、自分の体格や骨格に合ったテキスタイルのスーツは、
身体のラインを美しく包んでくれます。

スーツは、なかなか気軽に買い換えがしづらい服です。
でも、ご自分に合った素材と大きさのスーツを一着持っておくと、
着るべき場面にさっと着て行けて、安心と自信を手に入れることができます。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

春先、スリムにスタイル良く見せる3つの小技

コートの季節も終わり、いよいよ、軽やかな装いが増える頃になりました。
もともとの体型を、いかにバランス良く見せるかで、
着こなしへの満足感が変わり、おしゃれが楽しくなってきます。

今回は、ウエストまわりの体型カバー方法について書きます。

ウエストにくびれを作ってみせる一つ目の方法は、
ベルトなどで、服にヨコのドレープ(シワ)をつくるやり方です。

例えば、写真のリネンジャケットはイギリスMulberryの年代物で、
長方形のシルエットのため、そのまま羽織ると重たくなります。OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ですので、ウエスト周辺を幅が中程度のベルトでゆるく絞り、
ウエストラインのメリハリ感を出しながら、
腰高な印象をあわせて作るのです。コーデ

さら、二つ目の方法です。
くびれたウエストの印象を強めるため、
袖をロールアップして、ひじの位置がベルトのあたりに
見えるように調整します。
このように手首を見せることで、
手首までがほっそりと見えるだけでなく、
腰の位置が高い印象が強まり、脚が長く見えてくるのです。

三つ目に、上半身と下半身の服に使う色を、互いに馴染む色目であわせると、
上下が統一された印象を生み、ほっそりとしたラインに見せることができます。

このテクニックは、ジャケットやトレンチ、ワンピースなど、
さまざまなアウターに転用可能ですので、是非、お試し下さい。

友人の門出を祝う会

今晩は大阪市内で、とある勉強会の仲間が
長年の会社員生活にピリオドを打ち、
新たな門出を迎えるのをお祝いしに行きます。

今日は夜からのお出かけ。
お祭り気分を感じさせる
フレンチ・フォークロアのシフォンのロングドレスに、
夜の室内光に映える、光沢感のあるシルクジャカードの
ジャケットという装いを選びます。コーデ

ビジネスにおいて、
人とのおつきあいに変化が出てくるのは、
自分自身の体験から、30代後半だと思います。
それまでは、お互いに会社での役割も実務担当者ということで、
共通の話題も少なく、名刺を交換しておしまい、ということもしばしばでした。

ところが、ある歳を超えてくると、
おつきあいしている人の組織や社会での位置づけが変わってきて、
また、私自身も、長年培ったノウハウやおつきあいをもとに
お役に立てる機会が増えたりで、ビジネスの雑談がとても楽しくなり、
互いのビジネスを応援しあったり、
コラボレーションに結びついたりするようになりました。

私が、人づきあいのうえで大切にしているのは、
自分のメリットからおつきあいをお願いするのではなく、
自分が相手にとって、どんなお役に役立てるか、ということに尽きます。
そうすると、不思議なことに、素敵な友人に出会い、
充実感に恵まれてくるのです。

友人が益々エネルギーに満ち、充実した時間を過ごせるように、
やりたいことがいっぱいです!

愛の色、ピンクとオリーブ

ピンク色は、以前のブログでご紹介のとおり、
着る人を一層、幸せで優美な気持ちにしてくれる色です。
また、直感力が鋭くなり、こまやかな心くばりを働いて、
周囲からの好意や感謝を引き寄せる色でもあります。

一方、ピンク色を好んで身につけている人の中には、
自分のことを脇に置いて他の人に奉仕するあまり、
他者の言動に振り回されて傷ついてしまう人も。
また、自分が本当に望んでいることを探しきれていない、
という人もいるのではないでしょうか。

他の人を大切にする優しさいっぱいの人に
是非、あわせて使って頂きたい色が、
ピンク色の反対色のオリーブ色です。

オリーブ色には、自分の中にスペースをつくって、
自分が本当にやりたいことは何かを見つめ、
これまで解決できなかったことに気づかせてくれる
力があります。

また、オリーブ色は、自分の嫌いな点を、
笑いに変えて受け止める力も、もたらしてくれます。

私の周りで見かける、
「自分も相手もしっかりと大切にできる人」たちは、
とても輝いているように思います。

オリーブ×ピンクのコーディネートは、
春先の明るい髪の毛の色にもぴったりです!

コーデ

四原色アイメイク法

大阪では、桜の枝にぷっくりとした蕾が見られるようになりました。

ブティックのショーウィンドウには、ブライトカラーの服を着たマネキンが、
晴れやかに新しい季節を知らせます。

さて、私は以前から構想していたことを、実行してみることにしました。

それは、タイトルの通り、「四原色アイメイク法」です。

私たちが見ている「色」には、「物体の色」と「光の色」があります。

メイクアップは、目もとという「物体の色」なので、こちらについて説明します。

物体の色は、次の三つの色の単色または混色で成り立ちます。

・C (Cyan) シアン[水色]
・M(Magenta) マゼンタ[赤紫色]
・Y(Yellow) イエロー[黄色]

そして、これらの三色をすべて混ぜ合わせると、
・K(Kuro) 黒
ができます。CMYK
「K」だけが、なぜか日本語ですが、
そのように表記が決められています。

この四つの色の組みあわせで、
水彩絵の具のように、さまざまな色を作ることができます。
これを、「減法混色」といいます。減法混色

この法則を活用すれば、アイカラーについても、
上の四つの色を様々な比率で混ぜれば、
金や銀、白を除いたほとんどの色を作れるはず。

そうすると、その日にまとう洋服に合わせて、
色を自在に選べるのでは、と思ったのです。

デパートやコスメショップ、薬局などをあたり、
四つの色を探しました。

そして、ほぼ「C・M・Y・K」に近い単色アイシャドウを
ようやく見つけました。

こちらです。アイカラー

シアンが本来の原色の色よりも少しだけ青みがかっていますが、
もっと近い色を見つけるまで、こちらで試すことに。

色見本の冊子には、作りたい色とCMYKのレシピが載っています。カラーパレット(全体)

こちらを参考にしながら、
目分量でそれぞれの色をとって手のひらの上にのせ、
ブラシで混ぜて、アイホールに少しずつ載せていきます。
今回は、シャルトリューズカラー(V47)をつくりました。
カラーパレットCが20%、Yが60%とありますので、
Cを1に対してYを3の割合でブラシで取り、
手のひらで混ぜて少しずつアイホールに乗せます。

アイシャドウを施した後の色は、こちらのようになります。アイカラー後だいたい、思った通りの色みを出すことができました。

ちなみに、今回使った「明るく鮮やかなトーン(ブライトトーン)」の
おもな色のレシピは、次の通りです。CMYKバリエーション(Bright-Color)

メイク後に、ブラシを洗って乾かす手間は出てきますが、
着る洋服にぴったりのアイカラーがないとき、
この方法は重宝しそうです。メイク完成

「プラダを着た悪魔」

私の好きな映画のひとつに、「プラダを着た悪魔」があります。プラダを着た悪魔
ストーリー自体はフィクションということのようですが、
映画に登場するファッション誌の編集長は、
アメリカ版「VOGUE」の編集長であるアナ・ウインターが
モデルになっていると聞きます。

さわりのストーリーは、次のような流れです。

ジャーナリスト志望の主人公が、ファッション雑誌の出版社に就職し、
凄腕編集長のアシスタントを務めることに。

ファッションに興味がなく、仕事着も垢抜けないものばかりで、
2号サイズや4号サイズの服を着るために食事制限をしてまで
頑張っている同僚たちにも無関心。

そんな彼女を採用した上司の編集長は、
仕事上の秘書事項だけでなく、プライベートに及ぶことまで任務を要求。
仕事場を離れても携帯電話が鳴り、「至急案件」の指示が飛びます。

そんな鬼編集長の態度に、つのる不満。
ある日、編集長から仕事のことで厳しい指摘を受けた折、
同僚に不満をぶちまけます。
すると、同僚はひと言、「だったら、辞めてしまえばいい」と言います。

「上司がもっと理解を示してくれたら」「仕方なく、上司の意向に添えなかった」
と言っていた主人公でしたが、気づいてみると、
それは自分で決めた限界だったことに気づきます。

そう気づいてからの彼女の変身ぶりは見事で、
以前の着こなしとは打って変わって垢抜け、
編集長のアシスタントとしてふさわしい
美と知性を感じさせる装いになり、
上司の要求にも鋭意、取り組むようになっていったのです。

担当する雑誌のテーマは、「内なる美(Inner Beauty)」。
映画では、モード業界の華やかさや欺瞞、厳しさを映しながら、
実は主人公が自分に向き合い、真の心の美を見いだす旅を描いていました。

また、部下を優雅ながら奴隷のように扱う悪魔ぶりが印象的な編集長でしたが、
主人公の仕事ぶりに次第に好感を抱き、
主人公が彼女の元を離れて次の仕事を探す折には、
面接先に彼女の高評価を送るなど、
主人公の良い理解者になっていたことが印象的でした。

何度でも観たくなる、元気が出る作品です。
昨年の夏、小説の続編が出版されたそうで、
いつか読む日が待ち遠しいです。

かばんの修理に思うこと

数年前、長く愛用してきたパーティーバッグのハンドルを支えていた
留め金の一か所がはずれ、方々の修理店をあたりましたが、
「同じ金具が見つからず、お修理は難しい」
ということで、仕方なく、クローゼットにバッグを眠らせていました。

ところが、最近になって、
「とことん、かばんの修理をしてくれる工房がある」と聞き、
伺ってみることにしました。

兵庫県三田市の「山澤工房」というお店です。

修理のご相談に伺うと、
「バッグのハンドル部分の接続部分の金具を
もとの付け方と同じやり方ではめ込むこともできますが、
再び外れてしまう可能性があるので、
バッグに接着している四角い枠型の金属の上部に穴をうがって
小さなネジで固定する方法で修理をさせてもらえませんか」
とのご提案を頂きました。

お直しの期間は約1カ月、費用は約8千円ということで、
少し考えましたが、お気に入りのお品だったので、
お直しをお願いすることにしました。

さて、1ヵ月が過ぎ、「かばんの修理が仕上がりました」とのご連絡があり、
お店を訪れると、無事にハンドルのお直しが終わり、
もとの通りの美しいたたずまいに復元頂きました。かばん

接合部分を含めて、周辺の革の縫製をほどいたことを全く感じさせない、
見事な仕上がりです。かばん2

金属の枠部分を、金磨きの布で丁寧に拭くと、
失われていた光沢感が蘇ってきました。

まるで、かばんが「捨てずに直してくれて、本当にありがとう!」
と喜んでくれているような印象を受けました。

日常お世話になる持ち物には、人の役に立つべく生まれてきて、
用途を全うするための生命が吹き込まれているのを感じます。

これまで、ショッピングの折には商品の便利さや魅力と
販売価格のみを見て、商品を手に入れてきましたが、
修理代も含めた生涯価格を考えても手に入れたいだろうか?
ということを考えるようになりました。
現代は、安くて新しい品物を買い、
汚れたり壊れたりしたらすぐに捨ててしまうことも可能な世の中ですが、
それだけではあまりに寂しすぎると思うのです。

下駄の鼻緒のお直しや刺し子の繕い、割れた陶器の金継などで、
大切に身の回りのものと関わってきた日本人の古く良き伝統を、
私も日常に少しずつ、取り入れてみたいと思います。

冬と春のはざまの陽光を楽しむおしゃれ

まだまだ寒い日中ですが、今日は陽春の日差しに恵まれました。
今日はイメージコンサルティングのお仕事で、大阪に向かいます。
コートの中の装いは、このようにしました。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

小花模様のシルクジョーゼットのタンクに、
マスタードカラーのスウェードのチュニック、
そして、少し赤みを感じさせるスモーキーブラウンのトラウザーズ。
チュニックのウェストは、ハラコ素材でスモーキーブラウンを繰り返します。

春を感じさせるシルクと、冬を感じさせるスウェードやハラコを組み合わせることで、
これから来る春を待ちわび、去りゆく冬を見送ります。
日本料理のお店で、二つの季節の食材を組み合わせて、
時節を愛でる計らいに、ヒントを頂きました。

アクセサリーは、小花模様に含まれるアクアカラーを、
アリゾナターコイズのネックレスで重ね、
春の陽光に似たシンプルな金色のものを。
ネイルは作り込まず、Nail Envyだけを塗って艶を足して出かけます。

おでかけ服に着替える前に、SAMSARAのオーデパルファンを
ウェストの左右2カ所に、ミストがかすかにかかる程度に
まといます。

この香水はサンスクリット語で
「輪廻転生」という意味の名前で、
サンダルウッドを基調とした個性の強い香りですが、
立ち上る香りが落ち着いたスパイシーさを醸して、
自分が今ここにいることを、
心地よく感じさせてくれる香りです。

寒暖が続く季節も、今週までだとか。
そろそろ、本格的な春夏シーズンの彩りが
街をゆく人たちに見られるのが、
とても楽しみです!