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本当の美しさ

春先からの非常事態が続く中、
いよいよ猛暑の季節となりました。
お変わりなく、健やかにお過ごしでしょうか。

弊社は、お陰様で創業から6年目を迎えることができました。

イメージに関わる事業を通じて気づいたことは、

「装う」ことは、美しさへの意識を磨くきっかけにはなるけれど、
「装う」行為だけでは、本当の美しさは得られないということです。

本当の美しさというものは、

・関わるすべてに感謝を忘れないこと
・しぐさやたたずまい、言葉遣いのたおやかさ
・年を重ねても学び続ける心意気
・自分やすべての命を尊重し、気遣うこと
・自分の心身を磨き、成長を続ける姿勢
・笑顔

に宿るということ。

大切なものは、外側ではなく、内側にあるのです。
大切なものは、見えるものにはなく、見えないところにあったのです。

そして、これらはどんな状況においても、幾つになっても磨くことができ、
結果として、その人の表情に現れるのです。

私の人生で大切なものは、このことだけとも言えます。

これからも、本当の美しさだけを追いかけ、
関わる全ての人々に、素敵な時間を差し上げたいと思います。

2018年の終わりに

2018年も終わりを迎えようとしています。
皆さんにとって、この一年はどんな一年だったでしょうか。

私のほうは、環境も価値観も移ろう、ダイナミックな一年となりました。
というのも、自分がこれまで描いてきた「夢」が、自己実現のためではなく、他人からの評価を軸にしたものに、いつしかすり替わろうしてたと気づいたのです。

自分が過去に闘病生活をしたとき、おしゃれは生きる力を与えてくれました。
そこで、自分の可能性をどこまでも応援してくれるような「道具」をつくろうと、様々な有意の方とパートナーシップを組み、ともに歩みました。
しかし、いつしかそのような方々の活躍場所が増えることを願い、異なるベクトルに力を注いでいました。その実は、自分が向き合うべき課題から逃げていたのかもしれません。

結果、「道具」をつくる行為は実らず、その方々にも十分に力を尽くせないままに終わりました。

誰かの幸せを願って、自分の時間を使うのは尊いことだと思います。
しかし、周囲に認められるためにそうしているのは、少し違うことです。
自分軸をぶれずに持ち続ける難しさと大切さを実感しました。
そして、自分が願った通りの現実がいま目の前にあることにも気づきました。

人も自分も、心から湧き上がる喜びを。
これが今後の私の、ビジネスと暮らしのテーマです。

この経験からの学びを記憶に刻み、勇気をもって歩み続けます。
読者の皆さんもどうぞ、自分を一層大切に どうぞ素晴らしい年をお迎えください。

年頭によせて

新年、明けましておめでとうございます。
皆様にとって、健やかで幸多い一年でありますよう、
お祈りしております。

2016年は、お取引先様の中でも特に、
電機産業で働く方々と出会ったことで、
日本の電機業界について知見を得るきっかけを頂きました。

日本の電機メーカーは全体として、かつてのような活気を
失っており、復興の道筋が見えない中、奮闘している現状です。

日本の大企業が得意とする、高度な技術によるものづくりにおいて、
その道一筋で歩んで来られた方々が、
業界再編の波に飲まれてその活躍の場を失い、
まったく新しいキャリアへと踏み出す姿も見てきました。

定年までひとつの専門分野を持ち、同じ会社で勤め上げることは、
現在の環境ではもはや、困難になってきています。

そんな中、日本で磨いた技術を持つエンジニアたちが、
外国の企業の中でしか安定的な暮らしを見いだすことが
難しくなってきているのは、とても悲しいことです。

どんなに海外勢と競い合う中にあっても、
互いに力を合わせて日本が世界で築いてきた
品質と信頼のブランド、そして「ものづくり」へのこだわりを、
さらに生み出し、追求していってもらいたい。

世界が驚く「まさか、こんな発想があったとは」
「まさか、ここまでするとは」という
商品を生み出すために、
私はエンジニアの方々が自分をフル回転できる環境を
用意していきたいと思います。

日本のエンジニア起業家の方々が、
これからひと花もふた花も咲かせ、
ものづくりを通じて多くの人に喜びと感動を広げる世の中のために、
今年も次の3つの支援に取り組んでいきます。

一つ目は、エンジニアの相互支援コミュニティをつくること。
互いの成功のために知恵を出し合い、
世の中の役に立つ商品をデザインし、
実際のものづくりまで試行できる、そんな場を育てていきます。
現在、私が支援する「ディスプレイの将来を考える勉強会」
(主宰: サンガテクノロジー合同会社)についても、
より密度の濃い活動を楽しんで頂けるよう、
ユーザー視点からの情報を提供していく予定です。

二つ目は、スモールビジネスの支援を通じて、
大企業や中堅企業を元気にすること。
これまでの組織体制では提供できにくいような、
小廻りの利くサービスを得意とするスモールビジネスの
それぞれの魅力を伝える支援を通じて、
日本のものづくりの末端を担っていきます。

三つ目は、エンジニアの方々の起業支援をすること。
一人ひとりのゴールや理想像に沿って、
ご自身が一番心地よく充実感を持てるような
PR・イメージビルディングを通じ、
豊富な技術的知見を持つエンジニアの皆さんが、
自分のノウハウを武器に大きく羽ばたくお手伝いをしていきます。

エンジニアの方々の働き方を変え、日本のものづくりのあり方を変え、
人々に驚きや感動を与える事業の芽が育つような
世の中の到来のために。

正しい問いも正解もない道ですが、
この道をひたすらに進んでいきたいと思います。

キャンバスに描くように

朝夕の空気が涼やかになり、秋も後半を迎えました。

こんな季節には、澄んだ穏やかな秋の空気に馴染む
風合いと色づかいのセットアップが素敵です。
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モスグリーン、オリーブグリーンの穏やかな緑と、
黒に近い紺色を合わせます。

切りっぱなしの裾や襟であたたかさを感じさせる
端正なウールのジャケットに、
陰影の滑らかなスウェードのスカート。

秋の空気をキャンバスに、想像をふくらませながら
丁寧に丁寧に、絵を描いていきます。

装うことの楽しさは、私がどんな時も夢中になれる
大切な宝物です。

準備をすること

この夏はひさしぶりに、梅干しをつくりました。

梅雨時に、香りの良い大きな南高梅を買い求め、
すぐに五島列島の塩と千鳥酢でつけ込みます。

一カ月ほどして、土用を越えた頃にざるに並べて、
三昼夜かけて天日干し。

そして、一緒にできた梅酢に戻すと完成です。

買ってきた時には1キロもあった梅たちが、
3分の1ほどの容量の梅干しになります。

そういえば、今年は申年。
申年の梅は、縁起が良いと聞きます。

平安時代、村上天皇が申年の梅を
福茶に入れて召し上がったところ、
病気が治癒したのが由来といわれます。

できた梅干しは、三年目を越えた頃に
頂くのが良いそうです。
三年を経ると、梅干しの塩気が丸みを帯びて、
まろやかな味わいになるからです。

12年に一度の吉祥の梅を、
3年以上も熟成して頂く、
時間と素材がおりなす贅沢。

今の世の中は便利で簡単なものが、
身の回りにたくさんあります。

夜中でも、コンビニに行けば
食材の買い出しができるし、
ネットショップでは世界中の珍しいモノを
手に入れることができます。

家電にも、至れり尽くせりの機能が満載です。

でも、こんな便利な世の中なのに、
時々ふと、心が虚しくなる。
そんなこと、ありませんか?

これからは、一部のプロフェッショナルだけでなく、
より広く「手間ひま」に注目が集まる時代が来ると
私は密やかに信じています。

準備に時間と労力をかけたぶんだけ、
作り手の「心」がモノに紡がれていく。
買い手は、便利さというよりも、
作り手がモノに込めた「心」を味わう。

モノに込めた「心」は、真似ることができません。
だから、競合どうしは争うよりも、
互いの良さを認めあって、
ともに業界の地位を高めていく。
そんな時代は、すでに兆しを見せています。

モノを介して「手間ひま」や「想い」を
贈ったり、受け取ったりする時代に向けて、
私ができることは「準備をすること」。

前々から時間をとって、面倒くさがらずに、心をくばること。

私は、自分の生き方の中にもっと、
「準備」を取り込んでいきたいと思います。

理想のバスルームとは?

前回のバスルームの未来について
もう少し、考えてみましょう。

もしも、あなたが旅先の宿で
理想の浴室に出会ったとすれば、
それは、どんなバスルームでしょうか?

私なら、「くつろぎ」と「癒し」があるバスルームです。

せわしい日常から離れて羽を休め、
心地よい眠りの時間へと続く、
自分と向き合う濃密な体験であってほしいと思います。

例えば、天草にある「五足のくつ」のヴィラ。
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小高い丘から八代湾を望みながら遠い潮騒を聴き、
源泉かけ流しの露天の岩風呂に身を委ねて、
ブルガリのアメニティのすがすがしい香りを感じつつ、
満点の星空の中をつたう、降り注ぐ流れ星を眺める深夜の瞬間。
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そんな体験を得るためには、デジタルの導入は
最低限で良いのかもしれません。

例えば照明なら、LEDでなくても、
暗い室内の一角にアロマキャンドルを灯すほうが
心が休まります。

また、マッサージやハンドマニキュアを愉しむなら、
寝室から少し小径を歩いたスパにある
眺めの良いエステルームで、ベテランの技によるセラピーを
受けてみたいと思います。

一方、
「旅先のバスルームでは素敵な体験を求めても、
自宅のバスルームは、アクティブな自分を後押しする場にしたい」

という方もいるかも知れません。

人の心は、きまぐれです。
バスルームの空間で
リラックスしたいかと思えば、
リフレッシュしたいと思い、
時には自分を奮い立たせたくなるのです。

自宅のバスルームに求めたい機能は、
日によってさまざまです。

だからといって、イアン=ピアソン博士が提案するような、
ハイテクを駆使しあらゆる「便利」が盛り込まれたバスルームは、
あまり素敵ではありません。

理想のバスルームを考えるにあたっては、
空間のコンセプト
、すなわち、
体験をデザインすることが大事になってくると思います。

言い換えると、ぶれない軸を持って、
なにかを捨てる」ことと言えます。

「バスルームの未来」は、どうなる?

future bathroom
SF小説を読んでいると、未来のテクノロジーや人々の暮らしが
ありありと描かれていて、それらが後の人々に影響を与え、
研究開発が行われ、実現することがあります。

未来学者、イアン=ピアソン博士によると、
居室空間の一角を占めるバスルームは、
今後、大きく様変わりをするといいます。

例えば・・・

【今後10年以内に】

  • 浴室内のスマートミラーが健康チェックとあわせ、
    髪型やスタイリングの
    提案をしてくれるようになる
  • 浴室内のスマートミラーは、ミリ単位の薄さの
    ディスプレイを
    インターネットにつないであり、
    高解像度カメラを内蔵したものになっている
  • 浴室内のスマートミラーで撮影された映像を
    医師が活用するようになり、病気診断のための
    虹彩スキャンが可能となる

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  • 浴室内のスマートミラーの中には、
    ユーザーの吐く息を分析し、
    健康状態を診断する
    化学センサーを持つものも登場する
  • 浴室内のスマートミラーに映るアバターを使って、
    仮想のコーディネートを試したり、新しい
    メイクアップ製品やヘアケア用品、
    ジュエリー、
    洋服を試着できるようになる

    future bathroom-3
  • ユーザーの「なりたい外見」を叶えるために、
    浴室内のスマートミラーが
    メイクアップの塗り絵機能を
    持つようになる
  • 壁面、床面のタイルがスピーカー機能を持つようになる
  • 床面タイルの一部またはカーペットが、
    体重計の機能を持つようになる

【今後25年以内に】

  • グラフェン(炭素の一種)でできた電子回路を
    肌の上につけたり、
    皮膚細胞に埋め込む
    「アクティブスキン」が一般化されるようになる
  • メイクアップはスマート化され、顔にクリームを
    塗ることによって
    皮膚に適用した電子回路が
    アクティブになり、
    鏡の中のアイコンをタップすると
    顔のパーツを識別して
    顔の上に自動でメイクアップを表示してくれる
  • バスルームお掃除ロボットが、マッサージや
    マニキュア等の
    サービスを施してくれる
  • アロマとマイナスイオンを帯びた空調が、
    バスルームの悪臭や
    バクテリア、花粉を取り除くようになる
  • バスルームの壁面がポリマースクリーンとなり、
    いつでも模様変えが
    できるようになる

今から25年前といえば、1991年です。
まだ、パソコンもインターネットも普及していませんでした。
当時の模様に思いをはせると、隔世の感があります。

同様に、これからの25年間も、大きく暮らしは変わりゆくのでしょう。

生産者の方々にとっては、このような未来予測は
経営の参考情報になるかも知れません。

しかし、こんな「便利が満載された」未来の浴室に、
私たちはワクワクしたり、リラックスしたりすることができるでしょうか?

ストレスと戦うメガネ

通りがかりのショッピングモールで、

眼鏡ショップの店頭に、気になるポスターを発見。

ストレスと戦うメガネ

と書かれています。

よく読んでみると、

「ブルーライト対策メガネ」

の広告でした。

ポスターには、

「ブルーライトをどれだけカットできるか」

ではなく、

ブルーライトをカットした結果、あなたに起こることは?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

をうたってあります。

高度な技術を使った商品ほど、

機能・性能を伝えたくなるでしょう。

だって、苦労して編み出したわけです。

でも、エンドユーザーの心が動く一言は、そこではないんですね。

その機能を手に入れたときに、どんな幸せが起こるのか?

なのです。

この「目線の切り替え」が、

エンドユーザーに対する本当の愛だと思います。

丁寧に向き合う

ワーキングホリデーをオーストラリアで過ごした知人の話によると、
向こうで暮らして初めて、

日本人の「当たり前」が実は、「当たり前ではない」

ことに驚いたそうです。

特に意外だったのは、
折り紙の端と端をきっちりと揃えて折れない(折らない)
ということだったようです。

日本人は手先が器用だ、という話を耳にしますが、
折り紙の端と端をそろえる、という行為は、
やり方を知って、意識さえすれば、
そんなに難しいことではないと思います。

手先の動きを細やかに丁寧に折り進めば、
必ず美しい折り紙が仕上がります。

仕事も、折り紙と似ていると思います。
どんな作品ができるかははじめはイメージできなくても、
一つひとつの仕事を丁寧に、細やかに仕上げていけば、
きっと美しいエンディングが待っている。

だから、面倒なことほど、
心を切り替えて丁寧に向き合いたいものです。

「日本らしさ」で、世界の役に立つ

世界がグローバリズムをつきつめ、
自らの発展で自らの危機を招いている今、
日本の持っているものが役に立つのでは、と
強く感じています。

それは、日本の精神文化です。

例えば、「和をもって貴しとなす」。
あらゆるステークホルダーと
良好な信頼関係を築きます。
時には競合と手を携えて、
イノベーションを起こします。

例えば、「三方よし」。
事業に関わる、あらゆる人々に
恩恵と発展をもたらします。

例えば、「足るを知る」。
これ以上、モノを増やさなくても、
キャッシュがまわるビジネスの仕組みをつくります。

例えば、「侘びの精神」。
思いつく限りの行動で相手をもてなし、
それでも行き届かない自分を詫びることで、
相手への尊敬の念を伝えます。

例えば、「不易流行」。
時代とともに、変えていくものと守っていくものを持ち、
伝承していきます。

これは、あくまで一例に過ぎません。
西欧のグローバルスタンダードにない価値観が、
日本には、たくさんあるのです。

このような思想が根底に流れる
「ものづくり」「ことづくり」を、
世界が待っています。

日本人のひとりとして、そのような
長年この国が培ってきた共生共存の経営を自ら実践し、
発信していかなくては・・・と強く思います。