肌をくすませずに「秋色」取り入れるには

今年もいよいよ、紅葉の見ごろを迎えました。

燃えるような紅葉も素晴らしいのですが、
銀杏の樹々の羽のような葉が黄色く染まり、
秋の空に彩りを添えている模様も
季節の深まりを感じさせてくれます。

秋を感じさせる色といえば、
黄色みのある赤から緑色、
そして、赤みの紫色など。

実りの色、スパイシーカラーを
ファッションに取り入れるには、
ちょっとしたコツがあるのです。

というのも、人によっては、オリーブグリーンのような
黄みの強い色や深い色を着ると、
顔色が不健康に黄色く感じられる場合があるからです。

だからといって、着こなしに取り入れないでいるのは、
もったいないこと。
今日は、こっくりとした色を
すっきりと取り入れる方法をご紹介します。

それは・・・

顔のまわりから少しだけ秋色をはずして、
白や黒のトップスを組み合わせること。

顔の透明感を損なわず、
ぐっと秋らしい装いになります。

こちらは、シルクオーガンジーのブラウスをまとった秋の装い。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAインナーとスカートのライトオリーブを土台にして、
穏やかな秋の昼下がりのパーティー・ルックです。

光を繊細に反射する、ヴェネチアンガラスのような
ネックレスを組み合わせて、顔まわりに輝く印象を。

オリーブカラーが組み合わされたスウェードのベルトを
ウエストにマークして、まるでセットアップのような統一された印象に。

靴は、あえてワインカラーのパイソンの
ハイヒールを組みあわせ、
洗練されたエレガンスを演出して。

一歩一歩、冬支度が進む景色を
おしゃれの中に切り取って季節を味わってみると、
ちょっとした気分転換にもなります。

なつかしい友と会う日

数年来のおつきあいになる、
東京の友人と京都で会う日です。
首回りをしっかりと温かくして、
お出かけします。
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移動のことを考えて、
脚さばきの良いスカートに黒タイツ、
そしてヌバックのシューズをセレクト。

スカートの色とも調和するマンダリン色のパシュミナストールは、
エシカル・ファッションを提唱するMotherHouseが
ネパールの工場で製造したものです。

デニムジャケットのステッチ糸と同じオレンジカラーで
おしゃれに小技を効かせつつ、
顔まわりに艶やかな血色を足し、
寒々しい天気に彩りを添えます。

嬉しい近況交換のひとときは、
束の間に過ぎてゆきます。
ご主人の転勤で、翌月には
遠い海外に住むことになる友人を駅の改札で見届け、
異国での再会を誓うのでした。

秋の便利な温度調節アイテム④・トレンチコート

冷え込む朝夕のお出かけを温かく包んでくれる、
ライナーつきのトレンチコート。

フィット感のあるトレンチコートは、春先だけでなく、
この時期の着回しにも、活躍してくれます。
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厚手の綿でつくられたトレンチコートは生地にハリがあり、ボタンが緩みやすく、スペアボタンがなくなりやすいもの。

トレンチコートは、前身頃だけでなく、袖や後ろ身頃など、さまざまな場所に同じ色の異なるサイズのボタンがあしらわれており、その数は10を超えるものもしばしば。一方、すべての箇所のスペアボタンがそろってついていることは、少ないものです。

そこで、全く同じボタンでなくても、近い印象のボタンを取り扱っている手芸店を確認しておくと、万一の場合に慌てなくて済みます。

なお、通販では色が正しく表示されないこともありますので、現物を見て買いそろえることをおすすめします。全部で10個以上あるボタンは、生地と色が合っていなければ、本当に高くて残念なお買い物になります。

関連記事 : 「自分の魅力を引き出すトレンチコートの探し方

秋の便利な温度調節アイテム③・デニムジャケット

顔まわりの印象を若々しく整えるデニムジャケットは、
着回しに重宝するアイテムです。

いつもの服の上から羽織るだけで、
垢抜けた印象にしてくれます。

デニムジャケットを大人っぽく着こなすコツは、
ふたつあります。

ひとつは、色数を抑えること。
全体の印象を二色以内にとどめ、
ちいさなアクセントカラーをネックレスやブローチなどで
添え、いきいきとした印象をつくります。

もうひとつは、ジャスト・フィットまたは、
少し小さめのサイズを選ぶこと。
ジャケットの肩幅については、
過去の記事でも取り上げているように、
指で肩をつまんだ時に1センチあるぐらいが
ちょうど良いのです。
少しだけ小さめのジャケットは身体にフィットして、
シルエットがだぼつかず、美しく決まります。

さて、今日は黒の上下のうえに、
デニムジャケットを羽織ったスタイルです。
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薄手の黒のウールニットに、
イネス・ド・ラ・フレサンジュの
レース加工のスカートを合わせて、
華やかさをプラス。

そして、華やかさを引き締めるように、
コスチューム・ナショナルの重厚感のある、
マニッシュな革靴を合わせました。

こちらのデニムジャケットは、
ジャン=ポール・ゴルチエのものです。

オーソドックスながら、
フランスらしいシックな色あいと、
ボディコンシャスなカッティングが
楽しめる一着です。

飾らないのに、存在感のあるおしゃれ。
ぴったりと合ったデニムジャケットは、
控えめでいきいきとした気品を、
着る人に添えてくれます。

関連記事 :
「着回しアイテム、グレンチェックのジャケット」内 
ジャケットの特に大事なチューニング・ポイント

秋の便利な温度調節アイテム②・ライダースジャケット

ニットジャケットと並んで、
この時期のお出かけ着に
ぴったりなのが、ライダースジャケットです。

一着持っておくと、通勤からカジュアルまで、
さまざまにアレンジができ、
手持ちの服の組みあわせが増えるのに驚くことでしょう。

こちらは、クレープ地のニットアンサンブルに
ダークブラウンの別珍のスカートを合わせ、
その上からイギリス・MUUBAA
ライダースジャケットを合わせました。
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足元にはハラコのパンプスをセレクトし、
全体をシックな印象に整えます。

乾いた風合いのニットアンサンブルが
レザーのツヤ感を引き立て、
別珍の繊細な光沢を、
パンプスの美しい毛並みにつなぎます。

色あいはブラウンの中でそろえつつ、
シェープと質感のレイヤーをつくっています。

ライダースジャケットは、
普通に着るとスポーティまたは
カジュアルな印象になってしまいます。

ライダースジャケットをお持ちの方は是非、
クラシカルなアイテムとのコーディネートで
洗練され、垢抜けた秋の装いを楽しんでみて下さい。

 

秋の便利な温度調節アイテム①・ニットジャケット

午前は梅田で打ち合わせ。
お天気に恵まれたものの、11月だけあって、
外は肌寒い空気感です。

チョコレート色のカシミアのセーターに、
ダークオリーブのスウェードスカートをあわせ、
上からゴールドとオリーブの混ざった色あいの、
ウールニットのサファリ・ジャケットをまといます。
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ウールニットのジャケットは、冬に向かう
この時期の体温調節に、とても重宝します。

こちらのジャケットはパンツと合わせると
かっちりとしたミリタリースタイルになりますが、
今日は打ち合わせで穏やかな印象を醸したいから、
優雅な印象のフレアスカートを選びました。

靴は、ニットと合わせたチョコレート色でシンプルに。
ジャケットについた木のボタンの色と同じ色みの
細いハラコベルトでウエストマークし、
控えめなアクセントにしています。

全体を控えめな色でまとめた代わりに、
ニットとスウェードの身体に馴染むシルエットで
着こなします。

本格的なコートを羽織る前の、
晩秋の日差しに映える温かな装いを、
今週はシリーズでご紹介します。

関連記事 :
YSLのサファリ・ルック物語
普段使いでスウェード服を愉しむ

遊び着にこだわる

11月はじめの三連休の最終日、
関西は素晴らしいお天気に恵まれました。

さて、休日のドライブや観光、
観劇や友人とのお茶会など、
行楽を楽しく過ごすのに、
ちゃんとした遊びに行く服」を持っているでしょうか。

遊び着にこだわることは、
実は、品のある人に見える近道なのです。

というのも、
ふだんの仕事着やパーティーなどの晴れ着には、
スーツやドレスをまとえば、誰でもおしゃれに見えるもの。
ここでは、あまり個性やセンスが光りにくいのです。

また、20代、30代の頃は、
髪や肌、表情にハリ感があるので、
服が素朴でもそれなりに、
魅力的に見えていたはず。

ところが、ある歳を超えてくると、
若い頃と同じカジュアル服を着るだけでは
老けて見られるのものです。

自分を正面から鏡で見ているだけでは
なかなかわかりづらいのですが、
横顔や後ろ姿がまるで、
ノーメイクで外出してきたかのような、
気品を損なう、やつれた印象に。
ここでせっかくのツキを逃してしまうのは、
もったいないと私は思うのです。

カジュアルスタイルをおしゃれに決めるには、
ちょっとした「コツ」があります。

それは、カジュアルな服ほど、
天然素材や繊細な色で、上質感と清潔感を出すこと
です。
必ずしも、高級ブランドを身につける必要はありません。

今日のお出かけは、うららかな日差しに映える
ソフトなニュアンスグレイのカジュアルスタイル。
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トップスのグリーンがかったグレイと、
ベルトのブルーがかったグレイで
異なったニュアンスのグレイのレイヤーをつくります。

そして、ライトブルーのインナーと
ペリドットカラーのネックレスを合わせて、
グリーンとブルーのニュアンスを違うトーンで繰り返して。

上半身が無地なので、
スカートとバレエシューズは
ニュートラルなライトグレイを
グレンチェックとパイソンの模様で取り入れ、
全体のバランス感に変化を持たせます。

カジュアルスタイルであっても、
手間暇をかけて立体感を出すことで
ほどよい「きちんと感」が醸し出され、
老け込むことなく、むしろ、
歳を経て一層磨かれた感性を、
さりげなく表現できるのです。