皮膚からも取り込まれる「色」

色は、光のある場所で、
視覚(眼)を通じて認識されるというのは、
現代の、一般的な見解です。

色彩検定やパーソナルカラーの学習でも、
色彩を認識するために必要なのは
「光」と「物体」と「眼」の三つの要素である、と
学びます。

しかし、現代の科学ではまだ解明されていないことが、
色彩の世界にもあるものです。

それは、人間を含む生物が、皮膚を通じても、
色彩を認識しているという事実です。

このような実験結果があります。
目隠しをした被験者数名に、色を教えないまま
赤い部屋と青い部屋に交互にはいってもらうと、
血圧や体温、筋肉の弛緩に明らかな変化が見られました。

赤い部屋に入った被験者は、血圧と体温が上昇し、
筋肉が緊張し、発汗が促進され、
被験者が青い部屋に入ると、血圧と体温が下降し、
筋肉が緩み、発汗が収まったそうです。

自然界では、カメレオンが皮膚で周囲の色を知覚していて、
環境や体調に合わせ変化させることが知られています。

カメレオンの皮膚細胞の中には
白、赤、黄、黒などの色の粒があり、
この色の粒は、外からの光や熱を浴びると、
大きさが変わる仕組みになっているそうです。
そして、大きさの組み合わせがいろいろ変わることで、
結果として、体の色が変わるのだそうです。

このように、皮膚は第二の眼としての機能も
担っているといえそうです。

さて、動物の中で、衣類をまとうのは人間だけ。
日ごろの服が、黒ばかりだったり、
いつも同じ色の服をまとっているならば、
太陽光の決まった波長だけを皮膚から取り込む形となり、
自然からの光の恵みを、十分に受けることができません。

できるだけ、いろいろな色の服を着て、
衣類を通して肌に注ぐ日差しを感じる心地よさを
楽しんでみませんか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。