町工場の現実

町工場2

東京で開かれたカンファレンスで知り合ったご縁で、
数年前、とある町工場の社長令嬢に
営業に出向き、お目にかかったことがあります。

まだ20代に見受けられるご容貌ながら、
現在の経営者の跡取りとして役員を任ぜられ
工場の営業や管理を担務されていました。

会社にはおよそ60人の社員がいて、
職場では、腕を誇る技術者の方々が
きびきびと働いていました。

大企業からの試作品など、
秘密裡に受託製造している案件も多く、
特許を取得できない高度な技術が
たくさんあるとのお話でした。

また、その工場は折しも
航空業界への進出を果たされたところで、
大規模受注の布石を打つべく、
厳しい品質規格に応えるかたわら、
海外へのロビー外交も独自に展開されていました。

町工場の経営は大変だ、と耳にしますが、
本当に大変なのだと肌で感じたのは、
その時が初めてでした。
正直、圧倒されました。

世の中の変化に対応して、わが社を変革し、
存続させていかなくてはならない。
社員とその家族全員が安心して暮らしていけるように、
経営の舵取りをしなくてはならない。

若くして重責を担う役員の真剣な思いが、
お話しの中から伝わってきました。

このような町工場が日本の大きなメーカーを支えていて、
その大手メーカーが今、海外メーカーとの競争に苦しんでいます。

為替レートが円高に振れる中、
輸出を生業にしている中小、零細工場の経営は、
ますます厳しい環境にあると思います。

日本のものづくりを支える幾多の人々が
日々の暮らしへの心配を和らげ、
夢を語りあうことができるよう、
有意の仲間とともに、応援していきます。

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