ビンテージ服の愉しみ 2

昨日に続いて、ビンテージ服の着こなしを考えてみます。

このジャケットの色に、
どんな色のボトムズやインナーを合わせるのか、
イメージはすぐに湧くでしょうか。jean-muir-jacket-001

街でなかなか見かけない色は、
配色もいろいろと考えさせられますね。

色彩学では、調和して見える配色の法則があります。

ひとつは「色相」に着目した法則、
もうひとつは「トーン」に着目した法則です。
今日は、「トーン」に着目した法則について書きます。

さて、トーンとは、「明るさ」×「鮮やかさ」です。

下の図の、同じ環に属する色は、同じトーンです。PCCSトーン表

さて、ジャケットの色を判別すると、
トーンは「dkg(ダークグレイッシュ)」になります。ジャケットの色

調和する色は、次の3つのルールで調べることができます。

■1■ トーンが同じ色の中から合わせる
同じ「明るさ」×「鮮やかさ」を持つ、他の色と合わせます。同一トーン配色全体的に色みを感じさせないトーンのグループなので、
どの色を合わせても統一感が感じられる配色となります。

■2■似たトーンの色の中から合わせる
近い「明るさ」×「鮮やかさ」を持つ、
同じ色または他の色と合わせます。類似トーン配色
組み合わせた色どうしがなじむので、
微妙な変化の中にも調和を感じる配色です。
ちなみに、昨日のコーディネートは、この方法によるものです。

■3■まったく異なるトーンの中から合わせる
まったく異なった「明るさ」×「鮮やかさ」を持つ、
同じ色と合わせます。対照トーン配色類似トーン配色2統一感のある中に、ハッとするメリハリや躍動感が生まれます。

トーンで選ぶボトムズの法則は、以上となります。

付け加えるなら、ボトムズの色みがジャケットよりも
はっきりと明るかったり鮮やかだったりする場合、
躍動感が演出できる代わりに、「アレ?」という違和感も出てきます。

こんな「アレ?」を防ぐために、
明るい色のボトムズを合わせる時は面積比を少なめに使うと、
調和しやすくなります。

一方、パンツのように、大きな面積を感じるボトムズをまとうなら、
■1■ トーンが同じ色の中から合わせる
■2■似たトーンの色の中から合わせる
の方法で、使う色を決めると良いでしょう。

ビンテージ服の愉しみ

梅雨をいよいよ間近に控え、
あじさいの花が見ごろを迎えました。

この時期ならではの、
ひんやりとしたピンクから青色の
淡いグラデーションは、
初夏の蒸し暑い空気を
いくらか和らげてくれるように思います。

こんな時期の夕刻からのお出かけにぴったりなのは、
ひんやりとした青みの紫色や、紺色のアウター。

太陽が沈んだあとの紺碧の空に
色濃く鮮やかに馴染むのです。

コーデバーガンディのワンピースの上から羽織っているのは、
JEAN MUIRによる、ウールクレープのクラシカルなジャケット。

こちらは、もとのフロントボタン。OLYMPUS DIGITAL CAMERA時代感があったので、今風のボタンにつけ替えて、
今っぽくよみがえらせました。

ビンテージ服の愉しみは、
街ではなかなか見かけない
色やカタチと出会えること、
そして、どう着こなすかを考える、
クリエイティブな時間をくれることです。