色の力を取り入れる~緑色~

高校生の頃、クラスにいたセンスの良い友人が、
「緑色は合わせる服の色が難しくて、お金持ちの色と言われるらしい」
と何気なく言った言葉がずっと記憶に残っていて、それ以来、
緑色の服を着ている人をずっと意識して見てきました。

確かに、日常の服に原色の緑色を取り入れている人とは、
街では、なかなか出逢わないように思います。

しかし、カーキなどの黄みを帯びた緑色や、
オリーブなどの濃い色、あるいは、
レタスグリーンやピーコックグリーンなど、
黄みや青みによった明るく鮮やかな色など、
緑色のバリエーションが多彩なことに気づきます。

このように、緑色は種類が豊富なので、
装いの変化を楽しむことができます。

緑色を身近に感じたい時とは、
自然とのつながりを感じたい時、
自分自身のペースを大切にしたい時、
周囲と仲良くおつきあいをしたい時ではないでしょうか。

「最近、ちょっと頑張りすぎだな・・・」
「もっと自分と向き合う時間がほしい」

という方は、是非、この色を
服やネクタイ、ジュエリー、バッグなどに
取り入れてみることをお薦めします。

[スプリングタイプ]
温かみを感じさせる、明るい緑色がおすすめです。green(spring)ベーシックカラーのベージュやキャメル、黄みがかった鮮やかな緑色のグラデーションなどでコーディネートをつくります。緑色のコーディネート(Spring)

[サマータイプ]
ひんやりとした明るい緑色、または、
スモーキーでクールな緑色がおすすめです。green(summer)ベーシックカラーのネイビーやグレイ、
隣の色みの青や紫と組み合わせます。緑色のコーディネート(Summer)

[オータムタイプ]
黄みがかったスモーキーな緑色や、
同じく黄みを帯びた深い緑色がおすすめです。
green(autumn)
ベーシックカラーのダークブラウンや、
トマトレッド、マスタード、ティール(濃い青緑)などと組み合わせます。緑色のコーディネート(Autumn)

[ウィンタータイプ]
冷たさを感じさせる鮮やかな緑や、
日陰の葉の色を連想させる深い緑色がおすすめです。green(winter)白や黒、シルバーグレーなどのモノトーンカラーと組み合わせて、
または、強い対比を感じさせるライトレモンイエロー、
アイシーグリーンと組み合わせて。緑色のコーディネート(Winter)コントラストカラーを取り入れるポイントは、
ストールや襟元などに配置して、顔まわりにインパクトを作ると良いでしょう。

グリーンを香水で取り入れるなら、
草原をわたるそよ風を連想させる
PIERRE BALMAINのVENT VERT(ヴァンヴェール)や
BVLGARIのEau Parfumée au thé vert(オ・パフメ オーテヴェール)、
あるいは、もっとエネルギッシュさを感じさせる
COMME des GARCONSのAMAZINGREENなどがあります。
グリーンノートの香水にはたくさんの種類がありますので、
ニュアンスの違いにこだわってみるのも楽しいものです。

色の力を取り入れる~黄色~

黄色は、古来から太陽の光の色を表しました。
日本や沖縄では、黄色は王家の色であり、
一般には禁色とされていました。
ヨーロッパでも、古来、黄色は巫女の衣装などに用いられる
聖なる色でしたが、暗黒の中世に「裏切りのユダ」を象徴する色とされ、
ルネッサンスを迎えるまで黄色は、
汚らわしい色として忌み嫌われてきました。

しかし、現在の欧米では、黄色は幸福を表す色となり、
黄色への印象も変わってきています。

黄色は、周囲に「仲良く楽しくやりましょう」という
サインを送ることのできる色です。
職場の連帯感を盛り上げたいときや、
プレッシャーをはねのけて楽しい気分で乗り切りたいときに、
ネクタイなどに取り入れて、ぜひ活用したい色です。

黄色はまた、気持ちが不安定な時、
心の悩みを温かく照らして和らげる効果や、
食欲を増進してくれる効果があります。
特に、黄色みを帯びた電球色や温白色のランプは、
食事を美味しそうな色に見せてくれますので、
LEDランプをダイニングで使っている方は是非、
取り入れることをお薦めします。

[スプリングタイプ]
yellow(spring)
カナリアのような明るい黄色や、オレンジをかすかに帯びた、
ネイプルズイエローがお薦めです。
黄色のコーディネート(Spring)明るいキャメルやオレンジ、レタスグリーンと組み合わせて、
フレッシュな印象を作ることができます。

[サマータイプ]
yellow(summer)
薄く明るい、酸っぱさを感じさせるライトレモンイエローが
お薦めです。
黄色のコーディネート(Summer)ネイビーやグレー、ローズピンクやライラックとともに組み合わせて、
初夏のイングリッシュ・ガーデンのような、涼しげな印象をつくります。
薄手のジョーゼットシルクや、
キメの細かいカーフスキンやスウェードの小物などで
黄色を取り入れると、上品な質感をさらに高めます。

[オータムタイプ]
yellow(autumn)
やや黄みを濃く感じさせるサフランイエローがお薦めです。
黄色のコーディネート(Autumn)ベーシックカラーのチョコレートブラウンやカーキ、
温かみを感じさせるインクブルーと組み合わせて、
豊かな印象を作ります。

[ウィンタータイプ]
yellow(winter)
明るくて酸っぱさを感じさせる、青み寄りのレモンイエローを
アクセントカラーに取り入れてみましょう。
黄色のコーディネート(Winter)ダークグレイやネイビーとともに、あるいは、
モノトーンのコーディネートに少量の黄色を組み合わせると、
ウィンターらしい凛とした艶やかさをつくります。
また、ハリのあるシルクスカーフやクリスタルガラスのペンダントなど、
光沢感のある素材で黄色を取り入れると良いでしょう。

黄色のファッションはちょっと・・・という方は、
シトロンやベルガモットの香りを取り入れて、
太陽の恵みのエネルギーをチャージしてみてくださいね。

色の力を取り入れる~オレンジ~

オレンジ色は、温かさを感じさせる色です。

オレンジ色は、着る人を陽気で社交的な印象に仕立て、
周囲に「気軽に声をかけてほしい」というサインを送ることのできる色です。
異業種交流会やカンファレンスなど、
たくさんの人と出会う場で自分を印象づけたい時、
ぜひ活用して頂きたい色です。

また、大きなショックや抑圧を感じているとき、
オレンジ色は苦痛を和らげ、癒やしてくれます。

さらに、オレンジ色は、エネルギーの方向を定めさせ、
仕事を全うする力を分けてくれる色。
仕事のなかで判断に迷うことがあったら、
オレンジ色のマウスパッドやペンを使って、
色の効果を借りてみましょう。

あるいは、オレンジ色を取り入れる代わりに、
オレンジ色を連想させるマンダリンオレンジや、
オレンジの花であるネロリのエッセンシャルオイルを、
1/2カップほどのぬるま湯に一滴垂らして、
香りを取り入れても良いでしょう。

[スプリングタイプ]
orange(spring)
薄いオレンジ色や明るく鮮やかなオレンジ色、
黄みがかったオレンジ色など、
幅広いオレンジ色が似合うタイプです。
オレンジのコーディネート(Spring)ベーシックカラーのアイボリーやサンドカラーのポイントに、
または、アップルグリーンやターコイズと組み合わせて、
鮮やかな配色を楽しみましょう。

[サマータイプ]
黄みがかったオレンジよりも、
赤みよりの柔らかいオレンジ色を選び、
明るいグレーやブルー、ピンクを中心にして組み合わせ、
全体をエレガントにまとめます。
オレンジのコーディネート(Summer)

[オータムタイプ]
orange(autumn)
黄みがかった濃いパンプキンカラーや、
深く鮮やかなキャロットカラーなど、
秋の実りを連想させるディープカラーのオレンジがお薦めです。
オレンジのコーディネート(Autumn)生成り色やベージュの装いのアクセントカラーに、
あるいはベーシックカラーのブラウン、
さらに、カーキやティーグリーン、マスタードと組みあわせて。

[ウィンタータイプ]
顔周りへの配置を避けて、
濁りを感じさせない、鮮やかなオレンジを取り入れてみましょう。
オレンジのコーディネート(Winter)モノトーンの差し色としてベルトやバッグなどに
オレンジを取り入れたれたり、
フューシャやレモンイエローなどと組み合わせて、
モダンな印象をつくると、顔まわりの表情を輝かせます。

最後に、二日酔いの日にオレンジを着ると、
体調が一層悪化してしまうとか。
オレンジ色は肝臓の色であり、
肝臓に必要とされるオレンジ色の光を、
オレンジ色の服が反射してしまい、
体に取り入れづらいためでしょう。

歓送迎会の多い3月は、その日の体調をみて
オレンジ色を取り入れることをお薦めします。

新月の夕べ、海辺のほとりのカフェで写経を体験

新月の夜は、お泊まりで名古屋の郊外へ。
渥美湾のほとりのカフェで、
書道家の友人が催す新月写経を体験します。

旅行のコーディネートは、
冬の眠りから目覚める桜の幹のような、
赤みを帯びた灰色のチュニックとロングベストを使った装いです。
コーデ1

色みを感じさせないチュニックを選んだのは、
写経で、墨の「黒」が和紙の「白」に映えるのを、
じっくりと味わうためです。

灰色の単なる地味な装いにならないよう、
顔周りに同系色で淡く明るい桜色のシルクストールと
ローズクオーツのネックレスを組みあわせ、
明るさと繊細さを感じさせる着合わせをつくりました。

ボトムスは、色味を抑えた渋めのマロンカラーのトラウザーズで、
トップスとの色の統一感を出します

薄白い日中の日差しや新月の時節であることをふまえて、
指輪と時計はシルバーのものをまといます。アクセサリー

ちなみに、こちらのトップスは深みのある赤のボトムズとも
色味が共通しており、着回しをすることができます。コーデ2

さて、最近では、写経キットが文具店でも販売されており、
自宅で好きな時間にいつでも写経をすることができます。
それでも、新月の日に格別な場所で、参加者が一緒につくりだす、
澄んだ場の雰囲気の中で写経をするのは心地よいものです。

写経では、一字一字の筆運びに集中して、筆を進めます。
お経を写し終えた後の心地よい疲労感が、
夜の深い眠りを誘ってくれそうです。写経

写し終えたお経は、仏閣に奉納し供養するものとされていますので、
友人にお願いして、奉納して頂くことにしました。

日常の慌ただしさから離れて、
静かに自分と向き合う時間を持てたことを
有り難く嬉しく思います。