技術者の尊厳を保つには

今、日本の電機業界に勤める技術者の方々の中で
恵まれた仕事環境にある人は以前よりも随分少ないと思います。

短期的に成果を出さなければならず、
自分がやりたい研究開発と違うものに着手しなくてはならない。
新しいテーマを提案してみても、組織が反応しない。
こんな状況が続けば、どんなに意欲が高くても、
気分が沈んでしまいます。

どうしたら、技術者が誇りを持って
ものづくりを続けられるのでしょうか。

仕組みを整えるのは、ひとつの方法かもしれません。

人材を大切にする企業の仕組みをつくる。
優れた技量を持つ技術者を、マイスターとして認める制度をつくる。
社内報などに、日ごろの努力をとりあげてあげる。
一定の裁量や予算を与えて、仕事をしてもらう。

・・・等々。

いずれも、技術者の働く環境を良くしようとする、
素晴らしい取り組みだと思います。

でも、そのような企業側、組織側の努力だけで果たして、
仕事に誇りを持ち続けることができるのでしょうか?

様々な事情で、ひとたび良好な仕事環境を失ってしまえば、
これまでのモチベーションも消えてしまうからです。

転職したり、会社の経営方針が変わったり・・・
変化が多い世の中、永続する仕組みに頼るわけにはいきません。

だから、「尊厳は心の中に持つもの」、と私は考えます。
自分の仕事に誇りを持つことができれば、どんな状況にあっても、
尊厳を失うことはありません。

どんな時も、いきいきと仕事を楽しむ。
いきいきと仕事ができない時は、いきいきするために進化する。
こんな人たちがあふれる組織は、最強です。

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