「色」は通好みのおかずなのか

さて、週末は東京で「色彩講師養成講座」に参加してきました。

スタイリングや身づくろいに欠かせないのが、
「色」の要素です。

色のある日常に浸かり、
教育の中で色についての専門科目もなく、
色についての知見を磨く機会はなかなかありません。

そこで、「色彩のプロフェッショナル」を
養成する半年間の講座に参加して、
色についての今までの理解を改めたり、
深めたりしているのです。

ところで、「色彩のプロフェッショナル」とは、
どんな人でしょうか。
身近に思い当たる人は、いるでしょうか。

世の中、色の分野で活躍する人はそう多くはありません。
色を必要とする産業や職場で活躍することはできても、
必ずしも色のプロとは認められないからです。

その意味では、色をごはんの中身にたとえると、
ひとつのおかずのような存在です。
しかも、鉄板のおかずではなく、味を知っていて
好きな人だけ食べるおかずのような位置づけです。

色についての知識を専門的に身につけたからと言って、
それでだけでは、収入に結びつくことはほとんどないのです。

先日のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」の中で、
本田圭佑選手がとりあげられていました。
彼は、自分にとってのプロフェッショナルの定義を、
「自分がしている仕事に対して真摯(しんし)であること」
と言っていました。
それだけで十分、プロフェッショナルであると。

私も、この本田選手のプロフェッショナルの定義が大好きです。
半端でなく、とことん情熱をかけて仕事をする。
それだけで、周りにはその人の「本気」が伝わるのですね。

私はスポーツにあまり関心がありません。
でも、日本のサッカーは、Jリーグができた頃よりもずっと、
本気でプロフェッショナルになったと実感します。
それも、サッカー文化のなかった日本で、道なき道を切り開いてきた、
日本のサッカー界を支えてきた人たちの「真摯さ」によるものだと思えます。

私は、色の分野ほど、
関わる人の情熱を問う分野はないと思っています。

それは、目指す姿も手段もはっきりとしない世界で、
その人の目的がすべての世界だからです。

歩むのが難しい道と簡単な道があったら、
私は難しい道を選びます。
そのほうが、ドラマに巡り会えるからです。

誰かの、色にまつわるドラマを、
聞いてみたいと思いませんか。

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